ゲオルク・ヤコビデスの子供の絵


「お気に入り おじいさんと孫」1890年

「おばあさんのお気に入り」1893年頃
 ゲオルク・ヤコビデス(Georgios Jakobides,1853-1932)は、ギリシア出身の画家で、ミュンヘン派の一人です。名前の読み方は違うのかもしれませんが、All Postersの表記に合わせています。ギリシア国立美術館の公式サイトの英語版表記は、Iakovidis Georgiosとなっています。初めアテネの、次いでミュンヘンの美術学校に学び、ガブリエル・フォン・マックスらを輩出した、ピロティ派の指導者であるカール・フォン・ピロティに師事しました。アカデミックな写実主義により、上流階級の人々の肖像画や、神話のシーンなどを描いて成功しました。印象主義や表現主義など新しい表現様式を批判しつつも、若い芸術家たちが独自の路線を歩むのを支援しました。ミュンヘンに17年間暮らした後、ギリシアに戻り、アテネの美術学校の教授に就任し、ギリシア国立美術館を創立して初代館長となりました。

「新聞を読む少女」1882年頃

子供を描いた作品が多くあります。そのどれもが、ユーモラスで生き生きとしています。子供たちは、理想化された美少年や美少女ではなく、かわいいけれど、隣の家に住んでいそうな、自然で身近な表情です。この少女は、両親か、おじいさんかおばあさんの眼鏡を借りて、老眼の真似をして読んでいる(読む真似をしている)ようです。私も子供の頃に、「おじいちゃん新聞読むときこうする」と言って同じようなことをしていたのを思い出しました。Fremdenblattは、オーストリアに実在した新聞です。


「行水」1858年、ギリシア国立美術館
全力をあげて嫌がっています。英語タイトルはcold showerで、冷たい水で洗われているようなので、嫌なのは分かります…

「遊び時間」制作年、所在不詳
大人が目を離している隙に、靴を脱ぎ、靴下を片方脱いだところで、「いいことを思いついた!」とばかりに、靴の中にパンを詰める赤ちゃん。こういうことをする時の子供の集中力はちょっと見習いたいほどですし、おいたをする時は、まるでいなくなったのか?と思うほど、静かになるものだと思います。手足がむっちりして唇を突き出した顔が、リアルです。

「子供たちの演奏会」1900年、ギリシア国立美術館
赤ちゃんは喜んでいますが、おばあさんはうるさいからやめてちょうだい、と言います(美術館の公開している画像)。後ろの少年は、仲間に入れてもらいたいけれど、楽器がないのでジョウロを吹いています。少し離れた所に立っているのが、彼の遠慮の表れかと思います。画像検索すると、懐かしいような、おかしいような子供たちの姿を描いた絵が検出されます。作品はアテネのギリシア国立美術館等に展示されています。

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