驚異の青い棚 8.モルフォ蝶とラブラドライト



 青く鮮やかに輝くモルフォ蝶は驚異の部屋の中でも一際目を引くものですが、私はチョウやガは苦手です。A.S.ByattのAngels and Insectsに収録されているMorpho Eugeniaの印象が強いです。この作品は映画化もされており、『変態愛 インセクト』という安いアダルト映画のような邦題でDVDが販売されています。でも、内容は良くて、チョウとガも効果的に使われています(昆虫嫌いはますます虫が嫌いになるような使われ方です)。

そんなわけで、私はモルフォ蝶の標本は持っていません。でも、磨いたラブラドライトの様子は少しモルフォ蝶に似ています。ラブラドライトは光が当たっていなければ、川岸に落ちているような単なるグレーの石ですが、光を当てると、角度によって青や黄色、緑などのイリデセンスが見られます。美しいよりも、こんな地味な石が角度によって見え方が変わるのか、と驚くようなものだと思います。

こうやって青いものを収集すると、一口に「青」といっても、その色味、性質、透明度等々、さまざまです。ラブラドライトは、透明ではなく、角度によって色が変わり、しかも一色ではないので、なかなか妖しいものだと思います。光の具合によって変化するところが、6月らしい石です。

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