終わり良ければ総て良いのか



 山の日が祝日に定められたことは知っていましたが、諸事情により、当社はその日は休日にならないものと思っていました。それで、特段の疑問も持たずに出社し、オフィスに到着して初めて、休日出勤をしてしまったことに気付きました。学生の頃も、休日に誤って登校することが2回くらいはあったので、まあよくあることです(ちゃんとした人ならあまりないとは思います…)。前日まで夏期講習で、しばらく出社しておらず、仕事が溜まっていたので、昼までは片付け作業に費やしましたが、誰もいないオフィスで(そこまで急ぎの仕事でもないのに)一人作業をするのが嫌になってきて、午後は会社からも近い、三井記念美術館に「アール・ヌーヴォーの装飾磁器」展を見に行きました。

建物が美しい美術館といえば、都内では庭園美術館と三菱一号館美術館と思いますが、三井記念美術館も歴史ある美しい建物です。内装が重厚です。展示物は200点もありました。美しいよりも、奇妙な、珍しい、変わった、グロテスクなものが多いです。ポスターのピンク色や、美女の写真だと、ロココ風とか、少女趣味なものを想像しますが、バッタの大量発生が絵付けされた大きな花瓶や、カタツムリや、トンボなどのリアルな表現をして「少女趣味」とはとても言えません。ややミスリーディングなポスターと思います。バッタやカタツムリに狂喜することはないものの、植物の表現が好みでした。色や、繊維の感じが繊細です。花弁の質感を、磁器にうつすとこうなるのか、と思いました。家に遊びに来た友人が、ロイヤルコペンハーゲンのフィギュリンを見て「宮川香山みたいだね」と言っていました。展覧会には宮川香山の作品もあって、やはり通じるものがあるのか、と思いました。


ヤケクソになって色々散財してしまいました。香原料セットはミュージアムショップで購入しました。 「匂ひ袋」の中身がどうなっているのか、気になって仕方がなかったので、買ってみました。色々な種類が少しずつあって、外来の物が含まれること、古代から珍重されているなど、ヴンダーカンマー的です。


また、スペイン産蛍石も買いました。物を増やすと後悔するので、2週間以上考えるか、所有していることを後からもずっとうれしく思うだろうな、と一瞬にして分かるものしか買わないことにしています。久々に鉱物ショップを冷やかしに行って、この透明度と、淡いアイスブルーが気に入りました。


神保町にも寄りましたが、紙の本は重いので、何も買いませんでした。神保町に行って空手で帰るなど、10年前には考えられないことです。

その後、夫と落ち合って燻製サラダやステーキなどを食べました。お店が気に入って、また来ましょう、と話しました。始まりは散々な休日でしたが、結局のところは楽しい一日でした。それでも、会社の休日はちゃんと把握しておくべきだと思いました。

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